【読書メモ】タックスヘイブン
今日は、橘玲さんのタックスヘイブンを読みました。
「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」の記事でも書きましたが、「マネーロンダリング」も経済小説として、ものすごく面白く、今回のタックスヘイブンも読みたいと思っていたところ、bookoffで見つけたので買ってきました。
目次
作品詳細
作品名:タックスヘイブン
作者:橘玲
出版社:幻冬舎文庫
発売日:2016年4月15日
あらすじ
シンガポールでもっとも成功した日本人金融コンサルタント「1000億を運用する男」北川がホテルから墜落死した。
死んだ北川の妻・紫帆は現地に、13年振りに連絡した高校の同級生・牧島を伴ってシンガポールへ赴く。
紫帆はそこで、北川の現地妻と息子の存在を知ることに。
北川は、数々の顧客のプライベートバンクの口座に数十億円の規模で穴を開けていた。
そんな中で、その損失分に目を瞑ると働いていた会社から、契約書を持った社員が現れる。判断の付かない2人は、高校のときにつるんでいた、もう一人、小波蔵に助力を請う。
背後に見える、日本の首領と呼ばれる大物政治家が仕組んだブラジルへの、原子力発電施設輸出計画とそれを見込んだファンドとその失敗。
そして物語が経るごとに、マネーロンダリング・ODAマネー・北朝鮮とイランの資金などスケールがどんどん大きくなっていく。
そして驚愕の、ラストの答えあわせなど目が離せません。
感想
「マネーロンダリング」でもそうでしたが、どんどん次へ次へと世界に引き込まれるようなスピード感と言うか読みやすさというか、さすがだなと思います。
叩けばいくらでも出てくる、租税回避のスキームやその流行廃りなど、普通に勉強になる部分も多く、解き明かしていくという意味で、スパイやミステリーの要素もちりばめられています。
そして、ほとんどの場面で出てくる登場人物たちは、ものすごい頭の回転が速く、こういった業界で動く人たちとしてのスペックの高さとして描かれていて、スピード感にも役立っているのかと思いました。
専門用語なども多く出てくるのですが、まったく気にならず読んでいくことができると思います。麻雀知らなくても、アカギは面白いような感じだと思います。