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投機した時間の軌跡

【読書メモ】ニーベルンゲンの歌 前編

目次

作品詳細

作品名:ニーベルンゲンの歌 前編
作者:不明
訳者:石川栄作
出版社:筑摩書房
発売日:2011年4月10日
原作発表年:13世紀ごろ

ニーベルンゲンの歌 前編 (ちくま文庫)

ニーベルンゲンの歌 前編 (ちくま文庫)

 

あらすじ

最強無敵の勇者ニーダーラントのジークフリートはブルグンド国王の妹の比類ない美しさを持つと言われるクリームヒルトの噂を聞き、己がミンネを欲し懸想し、ブルグンド国王グンターに会いクリームヒルトとの結婚の許可を求める。グンターはアイスランドの女王ブリュンヒルトを我が妻にする協力をするならば許可をすると約束した。ブリュンヒルトとの結婚には、ブリュンヒルトを三種競技で負かさなければならなかった。

ジークフリートとグンターは計画を立て、姿を隠す効果を持つ隠れ蓑を使いグンターに協力し、プリュンヒルトを打ち負かす。負けるはずがないと思っていたブリュンヒルトは不本意であったが約束通りグンターと結婚し、ジークフリートは約束通りクリームヒルトと結婚した。婚礼の夜、王妃となったブリュンヒルトは寝室でグンテル国王を押さえつけて縛りあげ、素っ裸で天井からぶら下げてしまった。その話を聞いたジークフリートは次の晩、グンターに変装してブリュンヒルトを腕ずくで組み敷く。その時に、帯と黄金の指輪をパクるジークフリート。それからというものブリュンヒルトはグンターに従い妻として振る舞うようになった。

少し時が経って、ニーダラントからブルグントに里帰りしたクリームヒルトはブリュンヒルトと夫の上下関係で口論をする。感情的になったクリームヒルトは、あの晩に寝室でブリュンヒルトを組み敷いたのはジークフリートだったことを暴露する。恥をかかされたブリュンヒルトは自室に逃げ帰り、屈辱の涙を流し、己が家臣にチクる。
ブリュンヒルトおよび王家に恥辱を加えられ、ブルグントの騎士団は憤激する。重臣ハーゲンは、ジークフリートへの暗殺を計画する。ハゲネは狩猟大会にジークフリートをおびき出し、森の中で不意討ちして暗殺した。さらにジークフリートがかつて侏儒のニーベルンゲン一族を征服して得た莫大な財宝を、クリームヒルトに渡さぬようライン川の底に沈てしまう。

前編はここまでで終了です。

感想

昔読んだニーベルングの指環と違って、短くて読みやすいという印象です。あちらは神話要素が強くて、神様が多く出てきて登場人物覚えられないとい印象で読み進めづらかったですが、こちらはスラスラ読めます。

ただ、昔のものだからか叙事詩だからか、簡潔に描かれすぎていて感情移入はしにくいし、全部が全部けっこう適当な部分が多くて、気にしなければスラスラと読めるといった感じです。

そのほかにすごい気になる要素として、個人を呼称する時にいろんな言い方をするのはなんでなんでしょうかね。ジークフリートと言ってみたり、ジークムントの息子と言ってみたり、ジームリンデの息子と言ってみたり、呼び方を変えることの効果って何かあるんでしょうか。ただ物語と関係ないところでややこしくするだけだから、やめたほうがいいと思うんですよね。

ネットで調べてみると、ニーベルンゲンの変遷をわかりやすくテーブルでまとめてくれている方がいて、整理がつきました。感謝です。

ニーベルンゲン伝説、各エピソードの相違点

ジークフリートが死んでしまいましたが、グンターとブリュンヒルトの子供がジークフリートという名前だったり、伏線っぽいのはあったのでこれからブルグンドがどうなっていくのか楽しみです。