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【読書メモ】なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか 後半

前半からの続きです。前半がまだの方は、前半へどうぞ。

目次

作品詳細

作品名:なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか
作者:フィリップ・デルヴス・ブロートン
訳:関和美
出版社:プレジデント社
発売日:2013年8月30日

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

なぜハーバード・ビジネス・スクールでは営業を教えないのか?

 

要約

目次

序章 世界を動かしているのはセールスだ!
第1章 拒絶と失敗を受け入れる
第2章 ストーリーと共感力で売り込む
第3章 生まれつきか、経験か
第4章 教祖と信者
第5章 誰にでもチャンスはある
第6章 芸術作品を売るということ
第7章 仕事と自我を切り離す
第8章 複合的な才能
終章 ものを売る力と生きる力

第5章

私に信じるものがあるとすれば、それは売ること。一生懸命売ることです。 by エスティ・ローダー

優秀なセールスマンは、サンドバックである。いくらでも顧客の要望というパンチを受け止めて、顧客の問題を解決する、そのためには偉そうじゃいけなくて、腰を低くすることが第一条件である。

相手の鏡に徹することが、セールスマンに必要な能力である。相手の気持ちを汲み取り、必要なことをする。

第6章

金儲けは芸術だ。仕事も芸術だ。いい商売は最高の芸術だ。 by アンディ・ウォーホル

  • デュヴィーンは、永遠を売ることを自分の仕事とした。
  • レオ・キャステリは、新しい流れを見つけ市場を作ることを仕事とした。そしてアーティストをアーティストたらしめ、重油な存在にすることに全てを使った。
  • ラリー・ガゴシアンは、贅沢のさらに先として美術品を位置づけ、それを欲しがる人に、美術品を売ることを仕事とした。

全ての人物に共通するのは、経験・財力・鑑賞眼であった。

マーケティングの目的は、売り込みの必要をなくすことだ。顧客をよく知り深く理解することで、商品やサービスが顧客に最適なものになり、自然に売れるようになることが、マーケティングの目的なのである(no.3041)

ピーター・ドラッカーの言葉で、最高の経営であると言えるが、価値の曖昧な、相手に学習させなければ、再発見させなければならない未知の新商品の場合には、営業が必要になる。

第7章

「変えられないものを受け入れる静謐さと、変えられるもの変える勇気と、その二つを見分ける知恵」を持つべきである。

人間は18歳まで、他人と同じになるために学ぶ。だが、それ以降は、他人と違う人間、自分らしい人間になることを学ばなければならない。

最低のセールスマンは金が好き、最高のセールスマンは人が好きである。
金のために仕事をしてしまうと、従属的な役割に不満を感じてしまう。
対して、人のために仕事をすると、長期的な人間関係を構築することができる。

第8章

エンジニアを教えるほど、やりがいのあることはない。最初の出来があまりにも悪いので、舌を噛まずに話せただけでも、大変な進歩なのである。 by デール・カーネギー

考えることに費やす時間がなければ、優秀なセールスマンとは言えない。
旧時代のセールスと異なり、現代のセールスは客と二人三脚になることである。そのための方法を考え抜かないセールスマンはセールスマンとしての価値はないだろう。

学術的な、営業手法には「顧客主義」と「成果主義」がある。
どちらも経営的な視点で見ると、間違っていないと言える。

終章

われわれは売る。そうでなければ存在価値がない。 by デイヴィッド・オグルヴィ

「自分の必要なものを自分で手に入れる能力」それが、子供にもっとも持ってもらいたい能力だと著者はいう。
そのために、人は売るし、好きなことができるし、好きなもので稼ぐことができるようになる。

セールスマンは、売りたいが嫌われたくないという心理的葛藤に板挟みにされている。そのため、売るものへの情熱など持たず、売れそうなものを機械的に売るだけになる。

建物にエレベーターを付ける価値はなんだと思う?......エレベーターがない場合、一階の値段がもっとも高いはずだ。一番部屋に行きやすいからね。最上階が一番安いだろう。エレベーターがついたらどうなる?最上階をペントハウスと呼び、地上階の何倍もの賃料を取れる。そうなると君が売り込んでいる商品はなんだろう?エレベーターか?違う。眺めだ。

no.4175より引用

相手の必要な価値を作り、お互いに得をするのがセールスマンの仕事であると言える。

感想

読んで素直に思ったことは、どこまでいっても「人と人」なんだなぁという感想が浮かびました。

全てのことは、合理の先にはなくて、人と人との対話や接点の上に築かれていくのが本書でのたくさんの人物の物語から引き出せて、やっぱり最後は人というのがなんとも人間の商売だと思わされました。

伝えられなければどうしようもなく、そのための努力は惜しまない。当たり前のことだけどみんな出来ていないことが、当たり前だぞと書かれていてとても納得できました。
先日読んだ、有吉さんの「嫌われない毒舌のすすめ」も営業の本ではありませんでしたが、どう生き残るかということを、自分を売ること、売りやすくするための手段をたくさん書かれていて、人生というのは何かを売って生きているんだと、2冊の本から学べました。

営業をやっている人は、好き嫌いせずにまずは本書を読んで見るのは、とてもいいんじゃないかなとおもいます。

僕は、twitterで田端信太朗さんが紹介しているのを見て購入した口です。他人の紹介っていうのは、とりあえず試すのがいいって思っているので、今回もうまくいったなぁと思ってます。