人的資本からみる、若いうちに時間労働をする素晴らしさ
正直よくわからん生涯賃金のこと、就活は何を獲得しているのかを書きました。
就活前の大学生と若い世代へ向けて書きました。
目次
割引現在価値と生涯賃金
割引現在価値というのは、今もらう100万円と来年もらえる100万円に感じる価値に差があると考えられることから、将来の価値を割引いて現在の価値にする考え方です。
これを、名目値だけが表に出る生涯賃金に導入していきましょう。
小飼弾さんの2006年の記事に計算ツールが載っているので、色々いじると面白いです。
404 Blog Not Found:javascript - 生涯賃金vs現在価値
ここに、年収ラボの2014年の数値をいれて、計算結果を出しました。
その結果が、以下の表です。
割引率 | 0% | 2% | 5% | 7% | 10% |
生涯賃金 | 22745万円 | 14253万円 | 7886万円 | 5690万円 | 3807万円 |
- 0%は、名目値で、世間が言う生涯賃金と相違がありません。
- 2%は、インフレ目標で、およそ8500万円はインフレで消されます。(38%減価)
- 5%は、今後の株式成長率で、株式投資をする人からすると、もう6500万円ほど損しているように見えます。(65%減価)
- 7%は、200年間の歴史的な平均株式成長率で、過去の投資家たちからすると、もう2000万円ほど損しているように見えます。(75%減価)
- 10%は、ありえない数値です。ただ割引率をここまで上げると、20歳時から見た現在の生涯賃金の価値はこんなものと言うことです。(83%減価)
- 22%は、投資の神様バフェットの成績です。この割引率で見ると、割引生涯賃金は、たったの1500万円弱です。(94%減価)
人的資本と若年期の労働
人的資本
人的資本というのは、将来獲得可能な収入を現在価値で評価したもの、つまり上の表の数値のことで、「自分の株価」のような概念です。
株価の期待成長率と比べていった方が、いわゆる金持ち達と比較するときに自分の位置が分かりやすいので、5%の割引率の数値を使っていきます。
割引率5%のとき、サラリーマンを目指す人物の平均的な人的資本は、「7886万円」と考えられます。
若年期の労働
ツールで計算すると分かりますが、38,9歳までに4000万円ほどをキャッシュで引っ張ってこれることになります。
若い時ほど、割引現在価値でいう高い給料をもらうことができます。
これは、言い換えるとスキルのない若いうちの給料が高く、その会社で働く専門スキルが身につくほど、安月給で働くことを余儀なくされていると読み替えることもできます。
債券に似ている
人的資本は、毎年安定して一定額のお金をくれるという点で債券に似ている。
つまり、就職活動というのは自分の43年の勤続時間と引き換えに8000万円ほどのすぐに換金できない長期債券を手に入れているようなものだ。その債券は、お金の他にスキルや人間関係も得られると考えたら、就職活動というのもやる気が出ると思います。
若いうちに時間労働をする素晴らしさ
歳をとるほど、人的資本というのはものすごい勢いで減っていく。そして残るものといえば、スキルと人間関係ですが、全ての人がそれで食えるのなら、老後なんて心配する人はいません。
そのために、人的資本が豊かで自由がきくうちに、金融資本へ移行する必要があります。そのためには、将来価値が大きく、現在価値も大きい若年期に働いて、金融資本を育てていく必要があります。
したがって、若い時期に働くのはとても効率が良く、人生において素晴らしいことだと考えられます。