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投機した時間の軌跡

【読書メモ】ウォール街のランダム・ウォーカー 前半

今日は、有名な「ウォール街のランダム・ウォーカー」を読みました。
この本もbookoffで200円でした。第七版なので少し古いやつですね。
長かったので、4部の内の前半の2部までの読書メモです。

目次

作品詳細

作品名:ウォール街のランダム・ウォーカー
作者:バートン・マルキール
訳:井手正介
出版社:日本経済新聞社
発売日:1999年12月9日

こんな人にオススメ
  • 投資の初心者・中級者
  • 長期投資の有用性を確認したい方
  • 投資のプロがどれだけ雰囲気だけでトレードしているかを知りたい方
読むと得られること
  • 個人投資家だから出来る短期の成績を気にしない投資方法
  • 米国市場の歴史
  • プロ投資家の成績の悪さの知識
読もうと思った理由・期待したこと

投資の本は定期的に読んで生きたいと思っているためです。まずは巷で名作と言われ版が重ねられている息の長い本から読んでいきたいので本書を選びました。

長期投資の有用性の確認を期待して、期待通りでした。期待通りの本ばかり読むのもよくないですが、たまにはいいかと思って読みました。

また機会があれば、最新の版も購入して読みたいです。

要約

ファンダメンタルとテクニカル

株価の予想には大きく分けて2つの流派がある

  • ファンダメンタル学派
    株価は、企業成長率が高水準・成長持続期間が長期・配当が高額・リスクは低い・金利水準が低いときに、高くなる。
    しかし、これらの予想は難しく、数字をいじるだけで将来の株価予想はいくらでも変えられる
    ex.当時のIBMの株価予想を、配当成長率16%が10年、その後2%で成長とすると理論株価は172.94ドルで、当時の株価より低かった
     しかし、これを20年続くとすると、432.66ドルになり、株価が上昇するとなり、30年ならアメリカの国民所得の半分となる。
     実際、20年に訂正してレポートを出したようだ
  • 砂上の楼閣学派(テクニカル学派)
    テクニカル学派は、過去のチャートから法則を見つけようとする学派であるために、IT技術の発達で暇な学者たちもチャートを分析できるようになり、その不正確さを証明され続けている。
    主なものは、ランダム・ウォークと言う過去と未来の株価の動き方の関係性は全くないと言う数学的な証明。
    他にも、たくさんの有効そうな方法は、過去まで学者に遡られ、歴史を通して市場平均に有意に勝てた方法はゼロだと証明され続けている。

どちらの学派も、完璧な予測はできず、市場平均に負けることになっている。

特に意味のなさそうな、テクニカル学派が今でも生きている理由は
テクニカルの性質上、売り買いを多くするため手数料で利益を得られる。
彼らは、予測がどんなに下手でも儲けることが可能である。

バブルの歴史

オランダのチューリップに始まり、イギリスの南海会社、フランスのミシシッピ会社など多くの古い歴史から、人がどんなに愚かかを解説。

それから、60年代・70年代・80年代・90年代のざっとしたバブルの流れ。

  • 60年代は、社名によって株価収益率が上がるわけのわからない事例、コングロのからくり、「成長」「パフォーマンス」と言う言葉のマジック、ストーリを売る「コンセプト株」
  • 70年代は、反動で安全な株のニフティフィフティ株の株価収益率を超割高にまであげてしまう
  • 80年代は、IPOで盛り上がる、再びコンセプト株、中国ではリコリスという花がチューリップバブルのようにバブルになる

このような感じで、人は勝手に熱狂して、勝手に夢から覚める。
90年代だって、日本のバブルの影響、ITバブルが目に見えていたことなど、変わらずバブルとその崩壊は変わらず起きている。

感想

前半部分を見んで見て、敗者のゲームが、より詳しく書いてある印象でした。
S&P500などの指標に勝てる明確な投資戦略はなく、よりいっそうVOOとかIVVなんかのETFに投資していく戦略に自信が持てました。

また、S&P500の動きとプロの投資家たちの現金比率の推移を見た図などがとても面白く、高値域で最も現金を少なくしていて、安値域で最も現金を持ったままにしているという、プロも全く判断を誤っていることは、とてもいい資料でした。

後半も、引き続き読んでいこうと思います。

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