【読書メモ】ウォール街のランダム・ウォーカー 後半
前回の読書メモの続き、こちらの3部、4部がリスクリターンや結論について触れているので、より重要で、きちんとまとめていきたいと思います。
前半はこちら
t-chan.hatenadiary.jp
目次
作品詳細
作品名:ウォール街のランダム・ウォーカー
作者:バートン・マルキール
訳:井手正介
出版社:日本経済新聞社
発売日:1999年12月9日
僕が読んだのは、7版です。
ウォール街のランダム・ウォーカー〈原著第11版〉 ―株式投資の不滅の真理
- 作者: バートン・マルキール,井手正介
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (4件) を見る
要約
CAMPとベータ
リスクはシステマティックリスク(ベータ)と非システマティックリスクにわけられる。
これがCAMP(資本資産評価モデル)の考え方で、古典的なリスクと対立する概念。
- システマティックリスクとは、市場指数のベータを1として、それよりも2倍動く銘柄のベータを2、半分しか動かない銘柄を0.5というように定義する。
- 非システマティックリスクとは、個別企業の特有の要因によって起こる株価の変動生のことで、分散投資によって取り除くことができるもの。
リターンは、総リスクによって決まると考えられていた世界から、ベータのみがリターンを決めるような流れに70年代になる。
しかしその後、研究するにつれてベータとリターンに相関が薄いことがわかる。理由としては、各銘柄のベータの正確な測定の不可能性、市場によるベータ自体の変動などが挙げられた。
下落局面で、高ベータ銘柄が大きく変動し、低ベータ銘柄の変動が少なかったことから、ベータは必ずしも間違っているとは言えない。
市場は予測可能か
不可能であるといいきって良い。
あらゆるアノマリーや予測の理論は、勝手に崩壊するか採用されすぎると効果がなくなる、さらに、調査では死んでしまったファンドの情報は入れず「生存者バイアス」がかかるため、リターン平均はよくでがちである。
市場平均に勝てるマネージャーは存在しないといっていいほど希少でいるか怪しい。
アセットアロケーション
- リスクとリターンは正比例する
- 株式も債券も、長期投資でリスクは低減する
- ドルコスト平均法はリスクを有効に低減する
- リスクに対する態度と、許容度は区別しなければならない
どういう選択肢を取るか
めんどいなら、指数インデックス!今ならIVVとかVOOってこと。
自分でポートフォリオを組むなら
- 5年は一株あたり利益が平均を上回る期待ができる企業
- ファンダメンタル価値が正当に評価できる以上で購入しないこと
- 将来、「砂上の楼閣」の土台になるような、成長のストーリーが描けること
- なるべく取引回数は減らすこと
これらを守ってポートフォリオを組むといい。
感想
「株式投資」「敗者のゲーム」に続いて、インデックス指数に投資することが最良の方法であることを説いている本でした。
上記の2冊よりも具体的な歴史について触れられていて、学べる本という印象です。
リスクの計算方法や現代ポートフォリオ理論など、現代の投資の基礎に触れられてとてもよく、細かい部分の復習になって、大学時代の統計学だとかファイナンス論なんかを思い出させられました。
あの頃は、テストだからやらないとって感じでしたが、こちらだと面白く感じられたのは、なんの違いなんでしょうかね。
この本で、ますますETFへの投資でいいんだなーと再確認でき、債券や不動産について少しは見てみようかなとも思いました。
どんな本がいいかわからないから、調べないとですね。
こうやって本が広がっていく感じって、読書してるって思えて結構好きだったりします。