【読書メモ】決断力
間違いなく将棋の天才と言える、羽生喜治さんの本を読みました。
古い本ですが、勝負哲学というのは読んでて面白いので買ってしまいました。
目次
作品詳細
作品名:決断力
作者:羽生喜治
出版社:角川書店
発売日:2005年7月10日
要約
勝機は誰にでもある
- 平常心を保つこと、より惑わされないほうが勝つ
- 欠点・弱点は裏を返せば強み・長所である
- 勝つ手より負けない手だが、展開が長引くなら逆転の余地が大きくなってしまう
- 知識は、実践で使える知恵に昇華させてこそ意味がある
- 経験は、選択肢を広げる反面、判断に時間をかけてしまう面がある
- 最適反応が分からない手で局面を複雑に乱す
- 守りに入れば終わり、50前にしてフルモデルチェンジをする米長先生のすごさ
- 強いと認められることが、期待などの空気感を作り、勝利に繋がる
直感の7割は正しい
- 長考でいい手が見つかることは少ない
- 年を重ねると、思考の過程を省力するのがうまくなる
- 大局観と感性が閃きと強さの支え
- 無限の可能性の中で未知へと飛び込む勇気と好奇心
- 決断は自分の中にある、リスクの大きさは、価値の大きさである
- 集中から拡散へ、IT技術で研究される型は、昔より数が多くなった、奨励会の後輩の方が特定の型では、研究が進んでいることも多い
- 当たり前の常識が壊れることが、将棋界でもよくあること
- 事前準備は勝負の3~4割を決める
- 大局観と準備で勝負は決まると言ってもいい
勝負に生かす「集中力」
- 海に潜るようにゆっくりとしか深い集中には入れない
- 興味があることには集中できる、それだけを取り出して鍛えることはできない
- 空白の時間で心や頭をリセットしないと、集中はできない
- ミスは避けられず、後になればなるほど重く、場を混沌とさせる要素でもある
- 試合の流れを掴む、一手の次善手で追いつける差で喰らい付くことが大事
- 感情を制御し「玲瓏」を忘れないことが、実力へと繋がる
- 内面から湧き上がるエネルギーが有る限り、発見があり成長する
「選ぶ」情報、「捨てる」情報
- 知識では、現場の「重み」が伝わらない
- 情報は、いかに捨てるかが重要である
- 時代についていくことは、その先で勝負するために必要なことである
- 自分の大局観・スタイルがないと時代に流されるだけになってしまう
- 新しい創造は大事であるが、それは永遠性は持たない、想像し続ける必要がある
- アイディアを作り、精査し、実戦で投入し、反省する繰り返しが成長である
- ゲーム外でも優位に立つことは、必要なことなのかもしれない
才能とは、継続できる情熱である
- 一瞬の閃きより、継続する情熱の方が成長し大成する印象がある
エジソンの「天才とは、1%の閃きと、99%の努力である」というのは真理 - 自分だけでできたことが、次へ進むエネルギーになる
- 過程を理解することで、真似から理解へと昇華され、それは創造力を養う
- 時代とともに、自分の年齢とともに、勉強法すら変える必要がある
感想
勝負の世界で生きている人たちの著書を読むことが結構好きです。
長年かけてその競技一本のことを考えた人たちが口を揃えて、同じようなことを自分の言葉で表現しているからなんですが、やはりどんな方もそれだけ戦い抜いてきたからなのか、言葉に重みがあり興味深いです。
この本でも、成長に近道などなく、地味な練習が必要だとわかる部分があり、対人ゲーム故の、時代の波や心理的なやりとりなどゲームに対して僕が思ってることと通じる部分が多く書いてあり、考える補助になりました。
自分の考えが足りていないことや、新しい考えなどが発見できて、自分の考えを発展や補うことに使えて、積極的に読んでいきたいジャンルの一つです。
勝負哲学というのは、個人個人違うので相手がどう考えるのかの材料にできたりと、多くのことに使えると思います。
この本を読んでいて思ったことは、ゲーマーというのは、決して相手の心情を読み取る能力が低くはないのではないか、ということです。
ゲームに勝つというのは、相手の気持ちを理解した上で、それを邪魔することが必要なので、相手の気持ちをよりよく理解できていないといけなく、逆に言えば、ゲームが下手な人は相手の気持ちがわからないか、自分のことしか考えていないのではないかという考えも浮かびました。
世間の言う、心優しいと言うのは実は逆なんじゃないかと言うのが、この本を読んでいて浮かんだ考えです。
これについて、もう少し考えて試してみてから、違う記事でまとめようかと思います。