【読書メモ】元素をめぐる美と驚き<上>
今年の4月に余っていた図書カードを使って、近くの本屋でよく本を買ってた時に、買ったまま難しくて、読みづらくて、積んだままにしていた本。
読んでみたら、全く知らない分野の歴史をしれて結構おもしろいです。
目次
作品詳細
作品名:元素をめぐる美と驚き<上>
作者:ヒュー・オールダシー=ウィリアムズ
訳:安部恵子 鍛原多恵子 田淵健太 松井信彦
出版社:ハヤカワノンフィクション文庫
発売日:2017年4月10日
元素をめぐる美と驚き──アステカの黄金からゴッホの絵具まで(上) (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: ヒューオールダシー=ウィリアムズ,安部恵子,鍛原多惠子,田淵健太,松井信彦
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2017/04/06
- メディア: 文庫
- この商品を含むブログ (1件) を見る
こんな人にオススメ
- 雑学を身に付けたい人
- 元素の発見の歴史について興味のある人
読むと得られること
一つ一つの元素の発見とその周りにいた人物の業績や悪巧みが学べます。雑学としてけっこう人が知らなそうなことが多かったです。
元素自体の効果などについてはほとんど触れられていません。
読もうと思った理由・期待したこと
図書カードの残高が余っていたので、フィーリングで買ってから積んだままになっていました。正直そういう本ってどの人にもあると思います。
僕の場合はブログのおかげで読書をする習慣が出来たので積んである本を読んでいこうとやる気が出ています。積読が多い人にはおすすめかもしれませんね。
雑学が欲しいと期待して買ったので、その通りの本で満足できました。
第一部「力」
金属が歴史的にどんな扱いをされていたかについて、書かれている部です。
金属は発見とともに、力の象徴・儲け・収集の対象になったようです。
面白いと感じた章のメモ
エルドラド
金はどの時代でも、普遍的な価値を認められていた。って言うのはどうも違うみたい。
西欧では金を巡った戦争・アメリカではゴールドラッシュなどいつの時代も富の象徴みたいなイメージを持たれていた。
しかし南米の先住民たちは、金が川で普通に見つかるしゴロゴロしていたので、金よりもむしろ金と銀と銅の合金で赤紫色の「グァニン」に価値を見出していた。
金より白金
白金は金よりも多いのに、発見された順番が遅かったために商業的に貴重っぽく扱われている。
金に夢中だったスペインのコンキスタドールは、当初は鈍い灰色の自然白金に目もくれなかった。
白金の地位をあげたのは、単離させる技術と、カルティエの宝石を目立たせるための指輪の輪の部分への素材としての採用とその流行だった。
赤土色のさび
昔は、隕石からしか鉄がとれなかった。まさに天からの恵み。神も信じちゃうね。
隕石には、違う物質も混ざってるからステンレス鋼みたいなのもあって、最近の分析とか技術力のおかげで再現できるようになってきている。
鉄は力の証で、どの地方でも男性名ばかりが付いている。
液体の鏡
水銀は、古くから液体なのに金属って言う不思議な性質で儀式とか人の関心が高いもので、硫黄と混ぜる比率次第で金になると考えられていた。
硫黄も水銀もたくさんあり、金に近い黄色さや輝きを持っていたため。
近代で毒性が見つかるまでは、人はわりと服用したり身近で使っていた。無知って怖いね。
第二部「火」
おしっこのPはリンのP
リンは、空気中で短命な酸化物が周りで燃えて光っているように見える。
これが解明されたのは、1974年と最近で、
昔の錬金術師のヘニッヒ・ブラントは「おしっこは金色だから金作れるんじゃねw」
と悪ノリのようなことをしてリンを抽出して、光る特性から
「やっべwww賢者の石できたwwwwww」と思い、それから数年、賢者の石(リン)を金にしようと試行錯誤した。
緑色の海の下で
最悪のガス兵器、塩素ガスは空気の2倍の重さのため上から撒けば、風で広がる。
その後、吸い込んだ人の肺の血管を割く。それを修復しようとした体の反応で溺死する、恐ろしい兵器。
塩素は、体の調節に不可欠な元素だが、同時に他の元素と混ぜたときの被害が大きすぎる元素。
弱い火
トマス・モアのユートピアの重要な川の名前はアニドラス川で意味は「水がない」
ユートピアもないとする皮肉。
水が元素ではないと発見したのは、大富豪が
「金属と酸反応させたら、燃える気体できたwww、これであそぶわwww」って遊んでたら、「これ燃やすと水になるんだけどwww」って感じで発見された。
科学はお金持ちの道楽って感じのエピソード。
感想
内容について
あまりに僕が知らない分野のことで、なんていっていいか分からなかったけど、元素ごとの発見したストーリーだったり、使われた歴史だったり、ちょっとしたエピソードが、たぶん広く浅く書かれていてとっても勉強になったと思う。
特に不活性ガスを発見したところなんかは、メンデレーエフの表にもなかったものだし、分光器で太陽見ると、ヘリウムの部分が隆起するしで、当時は大変だっただろうなとリアリティが伝わってきてよかった。
思ったこと
美と驚きというタイトルだけども、基本は元素ごとの人の話が中心なので、美は感じなかったというのがありました。
ほかにも、白金は金の10倍って言うのは、調べても出てこなかったから何を信用すればいいのかわかんなくなった。地殻に10倍ってことなのかな?
下巻が工芸・美・大地って言う部なので、そちらに期待なのかな、まだ買っていないので安くなってたりしたら、そのうち買って読みたいと思います。
雑学が増えていい感じだったかな、読みにくいのと興味が持ちづらい場所が多かったのはマイナスかな、おすすめ!とは言いにくいかな。