【読書メモ】世界一賢い鳥、カラスの科学
今日は、ちょっと変な本を図書館から選んできました。
僕は、図書館で本選ぶときは、最初の2~3ページ読んで、合うか合わないかをフィーリングで決めてから借りたりしてます。わりと当たるので選びからとしておすすめです!
では、今日の読書メモです、どうぞ。
目次
作品詳細
作品名:世界一賢い鳥、カラスの科学
作者:ジョン=マーズラフ/トニー・エンジェル
訳:東郷えりか
出版社:河出書房新社
発売日:2013年9月20日
要約
洞察力
本書で触れられている実験の動画が探したらあったので、はります。
このように
- ぶら下がった棒をとる
- 短い棒で長い棒をとる
- 長い棒でえさを引き寄せる
という、一連の動作をカラスはなんなくこなします。
他にもカラスは、2つの部屋を用意し、片方の部屋では朝食が出てきて、片方では朝食がまったくでないと、数日で学習し、朝食が出る部屋で食事をし、食べた量の実に3倍もの餌を朝食が出ない部屋に隠します。すごいリスクヘッジです。
また、その隠すと言う頭のいい鳥特有の行為ですが、カラスはさらに、フェイクを施したり、現場を見られると隠し場所をかえたりします。
相手の気持ちになって考えることも出来るようです。相手の特性を理解し、頭のよくない鳥相手には、適当に餌を見えないようにするだけだったり、犬ににおいでばれると分かると、先回りして隠し場所を変えたりします。
サーフィンまで楽しむ
断崖に風が吹きつけ、間欠泉みたいになった空気が音を立てて吹いていても、カラスはおびえるどころか、反り返った樹皮をつかんで空中サーフィンを楽しむ。
他にも、ワタリガラスは日本やアラスカ州、カナダ、ウェールズの山中で、雪の積もった斜面を、滑っては登ってを繰り返す姿も目撃されている。
これらは、動物行動学における、遊びの定義を全て満たしている。
- 生存にはすぐさま必要でない行動を含む
- 自発的で、楽しい、または自分が報われるもの
- 完璧でなく、誇張され、ぎこちない、もしくは新奇な方法で実行されるか、常に見られるわけではない典型的な行動を含む
- 厳格に型どおりではないが、同様の行動のなかで反復されることが多い
- 加わる者の栄養状態がよく、健康で、ストレスのない良好な条件下でみられる
色々な動物でも遊ぶ例は報告されているが、カラスほど頻繁に、変化に富み、複雑に遊ぶことが報告されているものはいない。
人間にすごく似ている
- 身体に対する脳の大きさ
- 同種より長い子供期間
- 遊びによる能力の高度化
- 記憶能力の高さ
- 知らない同属が死んだときに集まり学習すること
- 近しい同属なら悲しみを感じていること
交尾の報酬について、単婚とは
性ホルモンの出方とその向かう先によって、生涯単婚なのか、単婚(死別したら次をすぐ見つける)なのか、そうではないのかが化学的に決まっている。
プレーリーハダカネズミは、交尾をするとオスはにおいに反応して性ホルモンが出るため、唯一のメスと単婚でいられる。
カラスの場合は、視覚・聴覚を使うためか、ドーパミンが違うかで、死別した場合、すぐに次を見つけることになる。
人の場合、この報酬システムは母子において使われるため、母子の絆は強いと思われる。
感想
普段は、ちょっと怖いなーと思うようなカラスですが、こういう風に本にまとめられて、研究成果をみると、とんでもなく頭がよくて、思考能力や頭の中では、未来に起こることまで予想できる鳥なんだと思うと、ちょっと興味が沸いてきました。
この本では、科学の本なので、あらゆる行動を報酬システムの結果で、そのことに深く考察していて、ところどころ専門的過ぎて、細かすぎて把握し切れませんでしたが、それでもカラスのあらゆるエピソードはとても面白かったです。
とても社会的な生き物で、あらゆる環境のものを理解しそれを使って、勢力を伸ばしてきたと言われれば、すごい納得でした。都会でもゴミをあさって問題になってますが、裏を返せば一番簡単な食料調達手段ってことなんですよね、天敵も人間以外いないし、彼らは本当に頭がいい。
あまり他の人が知らないけど興味が出るような雑学だと思うので、わりとおすすめできる本だと思いました。カラスに興味のある方はぜひ!