トラッキィギャンビィ

投機した時間の軌跡

【読書メモ】バビロンでいちばんの大金持ち

目次

作品詳細

作品名:バビロンでいちばんの大金持ち
作者:ジョージ・S・クレイソン
訳者:坂本貢一
出版社:サンマーク出版
発売日:2016年12月5日

バビロンでいちばんの大金持ち

バビロンでいちばんの大金持ち

 

要約

この本は、7つのお金の知恵を物語ベースにすることで、その物語に価値を持たせています。それらを箇条書きにすると、以下になります。

  1. 収入の一部を取っておく
  2. 本当に必要なものだけを買う
  3. 取っておいたお金は投資する
  4. 増えたお金は、減らさないように守る
  5. 家を持てば、財産ができる
  6. 将来の収入源を確保する
  7. お金を稼ぐ力を強化する

具体例として、物語場では、7つに対応させて

  1. 収入の10%を必ずためておき、90%で生活をする
  2. 欲しいものをリストアップし、必要なものと欲しいものに分ける
  3. 休みなくお金が流れ込む場所に投資をする
  4. リスクを調べ、何もしているかを理解する、元本がいちばん大事
  5. 家を買えば、借家の家賃は借金の返済となり、最終的に家が自分のものになる
  6. 複利を知れば、小さな今のお金が将来の大きなお金になる
  7. お金がお金を産むことを正しく理解する

このように、述べて多くの人にお金持ちになる術をわかりやすく落とし込んでいます。

感想

これほど、優しい資本主義の仕組みを解説している本はないんじゃないかというほど、優しく全てを語ってくれている本だと思います。

1920年あたりの本ということもあり、僕としては5番目のお金の知恵は、現代で通用させるには若干厳しいかも知れないと思いつつ、他の知恵は間違いなく資本主義が続き人間の営みが続く限りの永遠の真理に近いんじゃないかと思います。

これまで、読んできた「株式投資」「ランダム・ウォーカー」「賢明なる投資家」「敗者のゲーム」などの多くの本は、投資をこれからしようとする人には、難しすぎるのかなと思い直させられました。
今あげた本たちは、現代で何をすればいいかを歴史などから分析し、ポートフォリオはこう作り、アセットアロケーションこそ全ての収益の源だという、投資をこれまでやってきた人には、とてもわかりやすく、これで大体の人に勝てるならこれでいいかと判断できる素晴らしい賢人達の知恵だと思います。
しかし、今回の「バビロンでいちばんの大金持ち」は本当に文字さえ読める社会人なら、誰もが理解できるレベルでお金というものの性質と投資というもののリスクとリターンをかけているのではないかなと思いました。

なぜか、図書館では投資とか経済とかのコーナーになく、人間倫理とか心理学とかのコーナーにあり、なぜだと思っていましたが、なんとなくわかったように気がします。
お金持ちから考える、人がどうすればお金に縛られずに生きていけるかという、人間自体の生き方の本なのかなと思いました。「生き方」なんかも同じコーナーにありました。

これから、投資を始めようって人には、これからはこの本から推していこうと思います