【読書メモ】 残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
たったひとつの冴えたやりかたの亜種みたいなタイトルです。
著者は「マネーロンダリング」や「永遠の旅行者」などを執筆している橘玲さんです。
マネーロンダリングをkindle版でセール中に買って、面白かったのでbookoffで安くなってたこの本を購入した。
目次
作品詳細
作品名:残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法
作者:橘玲
出版社:幻冬舎
発売日:2010年9月30日
こんな人にオススメ
- 幅広い知識のきっかけが欲しい人
- 残酷だけど現代で分かっている遺伝子のことが知りたい人
- 現代の当たり前のことを当たり前に知りたい人
読むと得られること
いろんなジャンルの本を読む人にはこんなことかって感じですが、あまり本を読まない人からすると、 こういう考え方とか理論があるのかと驚きがたくさんあると思います。
読もうと思った理由・期待したこと
108円で安かったからです。「マネーロンダリング」が面白かったので、bookoff同じ作者の小説ではない本があったので読みたいと思ったからです。
要約
序章
- 00年代のカリスマ勝間を引き合いに出して、努力することと、その根拠となっている信念である自己実現を論じる。
- 「やればできる」ということの遺伝的な否定や、子供の性格の獲得に親は関与ができないことの環境的、歴史的な考察
- 「やればできる」は、遺伝的には「やってもできない」
第一章
- 成長過程の子供の世界では、おのおのが一番目立つための戦略をとるので、短所を教育によって補うことは、苦痛であり困難。
ex.ジャイアンは野球や筋トレをするし、出来杉君は勉強をする - 能力主義も差別だが、人種・年齢・国籍・性別で決めるより、個人の介入余地があるため、よりフェアな差別であるから、採用されてしかるべき。
- 好きを仕事にするのは、際限がなく失敗は自己責任で片付けられるためどうなのか。
第二章
- 自己改造プログラムの製作者は、自分のためにプログラムを作り商業的成功を果たすが、肝心の自分の自己改造は成功しなかった。
- 僕らは、恋人・友達・金銭関係のつながりの順で重きを置いて考えるが、実際の社会は、金銭関係のつながり・友達・恋人の順で大きく影響する。
これは、貨幣など交易の歴史がまだ1万年と新しく、ほとんどの期間で人間は、つがい・仲間と過ごすことで生き残ってきたからだ。 - 親しい友人より、ちょっとした知り合いの方が、仕事を紹介してくれたりする。弱い絆の重要性。ビジネスマンへのインタビューで判明した。
第三章
- 分離・移項・統合を経ることで洗脳は可能。CIAの実験で判明し、オウムなど多くの宗教でも同様の手口が見られる。
- 生物の遺伝子に組み込まれた、生存する上で重要な戦略がある。その一つに返報性の原理があり、お返しをしたくなるというもの。
第四章
- 幸福のために生きる人間だけど、人間は不安や心配をするように進化してきた、なぜなら肉食動物に捕食されないようにするため
- 貨幣は溜まるほど、得られる幸福度は減っていく
- 対して、他者からの評価はあればあるほど幸福になっていく
- 人は遺伝子を残すために最適化されている、幸福は感情の一つなので、個体の生存と繁殖に幸福を感じると考えられる
感想
色んな有名な本や教授からの引用が多く、次の本へのきっかけとしてもいい本。
タイトルの方法は、特に深くは書いていないです。
ロングテールから引用してきて、みんなどこかのテールの中のテールの中のテール・・・の中のどこかで勝ち組に成れるんだから、頑張れよな!っていうなんだかなーって感じでした。
ただ、他の本から引用してきた論理を組み立てて一冊の本になっているので、広く浅く色んな知識が手に入ります、それ以上でも以下でもないって感じの本です。
タックスヘイブン読みました↓